No.138 (「中国の孫文、インドのガンディー」)  : 

「第1次国共合作はどのように成立し分裂したか?」

ロシア帝政時代の不平等条約を破棄したソ連のカラハン宣言と、コミンテ
ルンの支持を受けて中国共産党が成立した。また、中国国民党を成立させ
た孫文は柔軟にマルクス主義にも理解を示し、1924年に第1次国共合作を
成立させた。しかし、孫文の死後に中国国民党を率いたショウ介石は、北伐途
上の1927年に上海クーデタを起こして共産党を弾圧したため、第1次国共
合作は崩れた。

<評価の観点>
関心・意欲・態度:

現在もアジアの不安定要素(冷戦の残滓)である大陸と台湾の「二つの中
国」、そのルーツに大きな関心を持って学習に臨んでいる。

思考・判断:

国共合作という大同団結は、反清運動以来、様々な勢力間の周旋に努めて
きた孫文だからこそ、成立や維持が可能であったことについて、浙江財閥
に支えられたショウ介石と比較しながら的確に判断している。

資料活用の技能・表現:
「革命未だ成らず」の遺言を読み、孫文の中国革命の未来に対する想いの
深さを感得している。

知識・理解:
内なる「反軍閥」と外に対する「反帝国主義」の闘いに勝利するため、孫
文が成立させた第一次国共合作であったが、「反共産主義」のショウ介石によ
る上海クーデタにより崩壊したことについて、基本的な知識を身につけて
いる。